バラクーダ（オニカマス）は、骨董品のようなソードフィッシュのあとをうけて雷撃、急降下爆撃を行なえる多用途攻撃機として登場したが、エンジンのパワーはともかく、下方視界を重視した肩翼配置で主脚の配置が難しくなり、ダイブブレーキを兼ねるフラップなどやたらに突起物が多くややこしい構造の折り畳み翼や、飛躍をねらうあまり凝りすぎた機体の設計により重量過大となり、性能は大きく低下した。日本海軍機でいえば、「流星のコンセプトで開発された天山のパワーを持ちながら97艦攻にも劣る性能」の機体で、ハイライトはノルウェイにおけるドイツ戦艦ティルピッツ攻撃であったが、これもどの機体でもこなせそうな水平爆撃が主体であり、撃沈にはいたらなかった。結局実用性にすぐれたレンド・リースの米国製機にとってかわられることとなったが、模型的には非常に魅力にあふれた、エキセントリックなフォルムの機体である。
最大速度367km